Danushka Bollegala先生が訪問されました。

株式会社アマゾンで働かれているDanushka先生が7/31(水)に松尾研を訪問されました。
松尾教授が所属していた石塚研究室にDanushka先生も所属されており、松尾教授とは古くから関わりがありました。そうしたご縁から、例年ご講演をいただいています。

当日は松尾研の研究員や配属学生以外にも、講義受講生などオンラインの参加者含め100名近くの方が参加し、「空気を読むLLM」というテーマで講演いただきました。

 

Speaker biography: ボレガラ・ダヌシカ氏は2009年に東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻で博士課程(優秀学術研究成果に基づく短縮修了)を修了し,同研究科の助教,講師を得て,2018年から英国リバープール大学計算機学科教授として教育と研究活動を行っております.自然言語処理と機械学習を中心にACL, EMNLP, IJCAI, AAAIを始め,最高峰国際会議で200本以上の論文としてその研究業績を発表しています.「深層学習」(近代科学社),「ウェブデータの機械学習」(機械学習プロフェッショナルシリース)など専門書を執筆しています.なお,株式会社アマゾン(Palo Alto, US)のAmazon Scholarとして深層学習の実世界への応用研究を指導しています.

Title: 空気を読むLLMを目指して

Abstract: ChatGPTを始め,生成AIツールは人工知能研究者に限らず,どなたでも日常的に気軽に使うツールとなっています.生成AIツールの中でも,大規模言語モデル(LLM)はプログラムコードの作成から,作文支援まで幅広い場面で使われています.一方,LLMを使う人間側のユーザーは文化的,経済的,社会的,教育的など様々な観点で異なる背景を持っています.本講演では「LLMは多様な人間を相手にその人の背景を正しく理解し,適切な返信をするためにはどうすれば良いか」について私のグループが行っている研究成果を紹介しながら議論します.相手の背景を理解し,適切な返信をするのは感情的知性(Emotional Intelligence)につながるだけではなく,ユーザーの好感度を上げるためには重要である.一般常識生成(Generative Commonsense Reasoning)を具体的なタスクとして用い,LLMから同じ質問に対して多様な回答を得る手法にはどうすれば良いかを議論します.

 

松尾研では海外の研究者と共同研究を行っている学生も複数在籍しており、研究室外の方とも積極的に意見交流する機会があります。

今後もこのように研究室の垣根を越えた積極的な交流を続けていきたいと考えます。
Danushka先生、この度は松尾研に足をお運びいただきありがとうございました。