講義概要
松尾・岩澤研究室の教育活動
所属研究員が最新研究に基づく講義を展開
次世代の情報社会を担うAI人材を育成する
東京大学松尾・岩澤研究室では、最新のAI(人工知能)・データサイエンスに関心のある幅広い層に向けた公開講座を開講しています。東大生はもとより、全国の学生(大学院生、大学生、短大生、専門学校生、高専生、高校生、中学生)が受講可能です。テーマはAI・データサイエンスの基礎知識からディープラーニング(深層学習)、アントレプレナーシップ教育と幅広いテーマを網羅しています。メタバース工学部法人会員の社員受講者、ライフイベント(介護・育児等)による休職者など、一般社会人の方が受講できる講座も用意しています。 特徴は、松尾・岩澤研究室に所属する若手研究員や在籍学生、講座修了生が教材を開発し、講師やTA(Teaching Assistant)を担当していること。日進月歩のAI技術に関する基礎研究の成果を講義にダイレクトに反映しています。講座はオンライン中心ですが、対面形式のワークショップも一部導入しています。全体としては、実際に手を動かして、最新のプログラミング技術を習得していく体験型の講義になるよう心がけています。 講義の目的は、基礎研究の成果を価値のある学び・質の高い教育として多くの人に提供し、人・組織ひいては社会の変化につなげること。先進的なAI・データサイエンス教育によって、若手研究者・エンジニア・起業家を育成し、日本全体のIT競争力を底上げすることをミッションとしています。
社会的意義
アカデミアと産業界が連携して価値を生み出す時代へ
経済産業省の資料によると、2030年までに日本国内のIT⼈材が最大で79万⼈も不⾜すると予想されています。現在の世界経済を牽引しているのは、間違いなくITやAIに代表されるテクノロジーの進歩です。私たちが住む日本は、この情報分野を担う次世代の人材が不足しているという大きな課題を抱えています。 この状況を打開するためには、アカデミアと産業界が連携し価値を生み出す世界を日本国内で実現する必要があります。モデルとなるのは、情報分野をリードするアメリカです。西海岸のシリコンバレーでは、2000年代からアカデミアと産業界が密に連携した教育・研究が展開されています。Googleの社員がスタンフォード大学で最新の技術に関する講義をするような環境が約20年前から当たり前に存在していたのです。 アカデミアから産業界に優れた人材が輩出され、彼らが企業を活性化させる。そして、情報分野における国際競争力が高まることで、質の高い学術研究が継続できる——。世界のIT・AI研究の現場を見渡せば、このサイクルが必然であることは間違いありません。今こそ、アカデミアと産業界が連携して新たな価値を創造できる人材を育成するときなのです。
講座の特徴
大学と企業が密に連携して次世代を育てる
「イノベーションのエコシステム」を実現する

こうした危機的状況を打開するために、東京大学松尾・岩澤研究室が目指すのは、大学と企業が密に連携して次世代を育てる「イノベーションのエコシステム」の実現です。これは、基礎研究の成果を先進的な講義によって多くの学生や社会人に伝え、共有した知識・技術を社会実装することで、日本の経済発展につなげるモデルを指します。大学の研究内容が、スタートアップ企業創出やサービス開発という形で世の中に広がり、その経済活動の中で得られたリソースが大学に環流され、研究・開発が一層盛んになる——。そんなサイクルを目指しています。 このエコシステムの中で、重要な役割を果たすのが「教育活動」です。研究や教育の第一線で活躍するAIの研究者が講師を務め、日々更新される世界中の論文から最新の学びを提供する講座は、日本国内でも類を見ません。また、LLM(大規模言語モデル)や世界モデルといった最新の知見を提供するだけでなく、技術を社会実装する具体的な起業ノウハウも提供しています。松尾・岩澤研究室の講座では、プログラミングの技術を習得するだけでなく、社会課題に手が届く確かな手応えを実感することができます。

2014年にスタートした松尾・岩澤研究室の外部向け講座は、2023年度までに累計1万2000人以上の学生・社会人が受講しました。今後も講座数を拡大し、将来的には日本国内で20万人が受講するプログラムに発展させていくビジョンを掲げています。 松尾・岩澤研究室の講座を受講後、起業した先輩、ビックテック企業に就職した先輩も多数輩出しています。こうした大規模な講義を実現するための研究者ネットワーク、充実した教育体制、研究を社会実装につなげた実績は、松尾・岩澤研究室ならではの財産だと考えています。
具体的な活動内容
実際に手を動かしながら最先端の知識・技術を習得
全国から国内最高峰のAI研究コミュニティに参加できる

松尾・岩澤研究室の講座は、基本的に無料で受講できます(一部有償講座あり)。オンライン講義が中心なので、全国どこからでも参加可能。大学生・大学院生だけでなく、中学生・高校生・高専生・専門学校生・短大生でも参加できます。 講座の大きな特徴は、プログラミング、アプリのプロトタイピング、フィールドリサーチなどを実際に体験しながら学べること。多くの講座で、受講者同士が作成した機械学習やディープラーニングのモデル精度を競い合うコンペティションも開催します。社会課題を発見し、それをAIの先端技術によって解決する方法を考え、スマホアプリやWebサービスなど社会実装を意図したビジネスプランを作成する経験もできます。

- 1.プログラミング中心
- 機械学習やディープラーニングを用いたAI研究分野において、理論的な説明を聞くだけで内容を理解することは困難です。実際にコーディングをして、モデルを訓練し、パラメータを調整するといった経験をすることで、初めて重要な概念や技術が身につきます。
- 2.コンペティション
- 機械学習やディープラーニングの分野は、実際のデータを扱い、モデルを訓練させることで、重要な概念や技術を深く理解できます。多くの授業では、受講者同士が作成したモデルの精度を競い合うKaggle形式の実践的なコンペティションを取り入れています。
- 3.コミュニティ型教育
- 松尾・岩澤研究室では、新しい教育のアプローチとして、「コミュニティ型教育」を提案しています。多くの授業で受講者コミュニティの形成、グループワークを通じた相互メンタリングを行い、最新の技術トピックを共有するように心がけています。
深層学習、LLMからAI起業まで幅広いテーマの講座群
松尾・岩澤研究室では、AI・データサイエンスの基礎知識、ディープラーニング、大規模言語モデル(LLM)、深層生成モデル、世界モデル、AI経営など、さまざまテーマで講座を開講しています。受講対象や受講目的、目指す将来像、自分の興味・関心、技術レベルに合った講座から参加することができます。
講座一覧
運営
確かな技術と経験を持つ講師陣と運営チームが
最先端の講義を実現
松尾・岩澤研究室の強みは、AIおよびWeb工学の先端研究に携わる研究者・技術者の層の厚さです。深層生成モデルや大規模言語モデルの研究を手がける若手研究員や在籍学生が自ら教材を開発し、講師を担当します。各講座の募集や運営も研究室専属の職員が担当。企業と連携した寄付講座も積極的に開講しています。 松尾・岩澤研究室の外部向け講座からすでに1万2000名以上の学生たちが社会に羽ばたき、起業を実現した事例も増えています。最先端のAI・データサイエンス教育を提供し、習得した知識・技術の社会実装まで伴走する——。確かな技術と経験を持つ講師陣と運営チームが強い使命感を持って、日本全体のIT競争力を向上するというミッションに挑んでいます。

關 悠里子
Seki Yuriko

中務 のぞみ
Nakatsukasa Nozomi

川﨑 竜一
Kawasaki Ryuichi
岸 真衣
Kishi Mai
村瀬 恒太郎
Murase Kotaro

木下 泰佑
Kinoshita Taisuke

河本 聖己
Kawamoto Masaki

薮崎 ひかる
Yabuzaki Hikaru

矢野 純
Yano Jun

巖淵 京
Iwabuchi Takashi
小川 純子
Ogawa Junko
河合 真里
Kawai Mari

津島 緑
Tsushima Midori
大江 奈保子
Oe Naoko
和田 千佳
Wada Chika
越智 桃子
Ochi Momoko
手塚 裕美
Tetsuka Hiromi
和田 真衣
Wada Mai

隅田 早代
Sumida Sayo

鈴木 美和子
Suzuki Miwako
寄付講座のご案内
寄付講座とは、東京大学松尾・岩澤研究室における基礎研究の成果を社会に広く発信することを目的とした教育活動のひとつで、企業様からの寄付によって成り立っています。次世代のAI・データサイエンス人材を育成し、日本経済の発展につなげるという松尾・岩澤研究室のビジョンに共感・ご支援いただける企業様を随時募集しています。