松尾研リサーチインターンにインタビュー！（パート2：スウェーデン出身サイモンさん）

東京大学松尾・岩澤研究室（以降松尾研）では、2024年夏からリサーチインターンシップを開始しました。インターンたちは第一線で活躍する研究者の指導のもと、様々なテーマについて研究を行いました。2024年度は海外からの参加者も含め、総勢15名が参加しました。

本記事連載では、海外からのリサーチインターンシップに参加したインターン生に松尾研での経験や日本での思い出を紹介していただきます。第2回はスウェーデン出身のサイモン・ホルクさんです。

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Q1: 研究テーマとメンターの名前を教えてください。

私の研究テーマは「ロボット工学の基礎モデルの開発」です。私は、ロボット工学の基礎モデルにおけるスキルトランスファーについて研究してきました。基本的には、ロボットに新しいスキルやスタイルをトレーニングし、それをタスク間や異なるロボット間でも移行できるようにする研究です。

この研究に取り組む理由の１つは、ロボット工学をよりモジュール化し、毎回ゼロから訓練することなくスキルを選択できるようにすることです。映画が好きな人に例えて言うなら、『マトリックス』のネオがカンフーの技をダウンロードすると訓練なしですぐに使えるようになるのを想像していただきたいです。LoRAでスキルをトレーニングし、それをタスクやロボット間で移行できれば、似たようなことができます。LoRAは基本的に、より大きなモデルの微調整に役立つ、追加の活性化を持つより小さなネットワークです。私は、ロボット工学の未来は基礎的なモデルにあると信じており、LoRAは微調整のための素晴らしい方法であることを示しています。

私のメンターは松嶋達也さんです。彼の印象はとても知識が豊富で、何か質問があればいつも質問に関連する研究論文を共有してくれます。彼は忍耐強く、何か相談したいことがあるときはいつでも時間を作ってくれます。一緒に研究すること自体も素晴らしいですが、ボルダリングなど他の活動にも誘ってもらい、研究室内で歓迎されていると感じていました。

サイモンさんのメンターの松嶋達也さんと

Q2: 松尾研究室のリサーチインターンシップに応募した理由を教えてください。また、松尾研究室のリサーチインターンシップをどのように知りましたか？

サマーインターンシップの情報は、横浜で開催されたICRA2024に参加していた際、メールリストで流れてきたことで知りました。日本滞在中に松尾研のラボツアーに参加し、ロボット研究室を訪問した際、研究室のメンバーと直接話す機会がありました。皆さんとてもオープンで熱心に仕事に取り組んでいる印象を受け、松尾・岩澤研究室に強く興味を持ちました。

サイモンさんが参加された2024年5月のICRAラボツアー

その後、松尾教授のインタビュー記事を読み、研究室に対する彼のビジョンに非常に感銘を受けました。多くのアカデミアの研究室では、論文を書くこと自体が目的化し、壮大なビジョンを持たない場合が多いと感じます。しかし、松尾・岩澤研究室は「日本にシリコンバレーを作る」という明確なビジョンを掲げ、知性の創造を追求しており、他の研究室とは一線を画していると感じました。また、岩澤さんや松嶋さんのインタビューを読む中で、この研究室がアカデミアと産業界の利点を融合させたような環境であることも理解できました。

私は、この研究室のモチベーションや目標に強く惹かれ、サマーインターンシップに応募しました。それに加え、渡航費や生活費が支給されるといったサポートも魅力的でした。

来年の春には、ポスドクとして研究を続けるために研究室に加わる予定です。今回のインターンシップで、松尾教授が掲げたビジョンが研究室内にも浸透しており、全員が自分の仕事に熱中していることを実感しました。松尾・岩澤研究室は、知能の創造に関して日本をリードすることができると信じています。