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こんにちは、広報の清水です。
あっと言う間に今年も残すところあとわずかとなりました。
松尾研では今年もディープラーニングの研究・教育・社会実装・啓蒙に励み、エンジニアや運営スタッフなど人も増え、とても賑やかな研究室になっています!
そこで、今年の松尾研を少し振り返っていきたいと思います。
前半に多くのリリースがありましたね!
そこで今年松尾研内外で話題となったトピック4つを改めてご紹介します。
1.「Deep Learning」の日本語翻訳版(Goodfellow他著)出版
深層学習の研究で著名なGoodfellow氏やBengio氏らによって書かれた、深層学習の勉強のための決定版ともいえる教科書を松尾研が主体となって翻訳致しました。
2017年の事前のオンライン公開(現在は公開停止)でも話題となっていましたね。
松尾研の翻訳チームを取りまとめていた特任助教の岩澤先生にもコメントいただきました。
特任助教 岩澤 有祐
「今回の本は松尾研が主催している勉強会に参加していたメンバを中心とした翻訳チーム、数多くの方のサポートもあって出版することができました。進展の早いDL研究ですが、その基礎は本書で扱っている線形代数や機械学習、および基本的なニューラルネットに関する長年の研究に支えられています。本書が、そのような基礎知識の習得の一助となれば幸いです。」
◆書籍ご購入はこちらから
◆松尾研が中心となって運営する勉強会「Deep Learning.jp」にて輪読資料を公開中
2.「DL4US」「授業の演習コンテンツ無償公開」などの教育活動
松尾研の人気講座の演習コンテンツが2つ無償公開致しました。「え?これが無償で勉強できるの?」と数々のブログでもご紹介いただいています。
◆GCIデータサイエンティスト育成講座
東京大学で開催中のグローバル消費インテリジェンス寄附講座におけるデータ解析パートのコンテンツです。
◆Deep Learning基礎講座
東京大学で開催中のDeep Learning基礎講座で利用している演習コンテンツ。線形代数や機械学習を前提知識として要しますが、Deep Learningの新しいモデルを構築したり、高度な研究・開発を行うために重要な知識が基礎から学べるように設計されています。
また、高度なDeep Learning技術者を育成することを目的とした、アプリケーション指向の無償オンライン教育プログラム「DL4US」を今年は1期、2期を開講しました。
メディアでも取り上げていただき、応募者数は約1,900名を超えました。私たちが想像している以上に社会においてDeep Learningへの興味関心、技術力向上意欲が高まっていることを実感した出来事でした。
本チームを牽引し、AI人材教育において様々なセミナーで登壇もされている中山先生にコメントをいただきました。
リサーチディレクター 中山 浩太郎
「松尾研では、データサイエンティストやDeep Learningを習得した人材の育成を目的に、学生向け・社会人向けに大規模授業を行っております。
今年の初めに公開したDeepLeanring基礎講座やデータサイエンス講座のコンテンツはSNSを中心に大きな反響がありましたし、今年はエンジニア向け講座「DL4US」やNLP・強化学習サマースクールなど新しい取り組みも開始しました。また、社会人向けのデータサイエンティスト育成講座は300人まで規模を拡大するなど、果敢に新しいことにチャレンジしながら、活動の幅を広げてきました。
しかし、海外の大学と比較しても、現在のAI人材の重要度を考慮しても、まだ十分な教育を提供できていないようにも感じております。今後も研究室の活動の一つとして、一層力を入れて活動をしていきたいと考えています。」
3.論文
松尾研は「“知能”をつくる」ことを目的に、web工学の研究から始まり、近年では深層生成モデル・深層強化学習を研究領域の柱として研究活動に励んでいます。
今年は深層生成モデルを用いたドメイン操作を音声合成に応用した論文がInterspeech2018に再録されました。その論文を書いた阿久澤さんにコメントいただきました。
修士2年 阿久澤 圭
「深層学習は進展の早い研究領域ですが,松尾研では論文の輪読会・実装会を主催するなどしてキャッチアップに励んでおります。
輪読会・実装会は当研究室に限らず様々な研究室・企業の方からご参加いただき、画像・音声・強化学習・理論など様々な研究領域を俯瞰するのに非常に役立つと感じております。
論文化以外の場面では、研究員鈴木さんが深層生成モデル開発のためのライブラリ”pixyz”を公開する、B4谷口さんがDeepMindの提案モデルGQNの再現実装を公開するなどして注目を集め、研究活動が実を結びつつあると感じました。
来年度はよりインパクトの大きい研究成果が出せるよう,基礎研究に携わる教職員・研究員・学生一同高いモチベーションで取り組んでおります。」
4.深層学習の無限の可能性で、共に未来をアップデートするベンチャーキャピタル「Deep 30」
これまで松尾研ではPKSHA TechnologyやGunousyなど起業家も輩出している中で、今年は深層学習の技術を活用し世の中に変革を起こしうるシードステージのスタートアップへの投資を目的としたベンチャーキャピタル「Deep30投資事業有限責任組合(以下「Deep30」)」を設立いたしました。
大手コンサルファーム、ベンチャー上場経験とビジネスにおいてもキャリアを積まれてきている代表組合員 田添さんにコメントをいただきました。
学術支援専門職員 / Deep30投資事業有限責任組合 代表組合員 田添聡士
「Deep30は深層学習に強みを持つ企業への投資を行うベンチャーキャピタルです。
この取り組み自身、私自身の普段の大学での職務の中で課題に思ったことを松尾先生はじめとする多くの研究員・職員の方と議論しながら立ち上げたベンチャー企業とも言えます。Deep30の取り組みだけでなく、松尾研の周りにはテクノロジーの幅広い可能性を信じ主体的に行動していく人材をなんとか応援したいという良い流れを感じます。もちろん、チャレンジだらけでまだまだ整備されていないことだらけですが汗。
基礎研究〜ベンチャー創出の一連のエコシステムの血液のような仕組みになれるよう、来年以降も産学連携と大きく羽ばたくベンチャーの支援を強化していく所存です。」
来年も引き続き「知能を創り、未来を拓く」ため、研究室全メンバーで研究・教育・社会実装、社会への人工知能の啓蒙に取り組んで参ります。
松尾研一同、皆様のご健勝と貴社の益々のご発展を心よりお祈り致しております。
どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。
新年も宜しくお願い申し上げます。