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  • 【東大松尾研】2019年の活動報告
  • 【東大松尾研】2019年の活動報告

    こんにちは、広報の清水です。

    今年は平成から令和へと代わり、新たな時代の幕が開けました。
    松尾研もこの一年、松尾を始めメンバーの活躍する場も増えて良いニュースが飛び交っていました。

    そこで今年の振り返りとして、松尾研内外で話題となったトピックを改めてご紹介します。

    1.新メンバージョイン

    松尾研のメンバーも現在68名と大所帯になってきましたが、新たに頼もしいメンバーがジョインしました!

    特任研究員 山川 宏 先生

    プロフィール
    1987年:東京理科大学理学部物理学科卒業
    1989年:東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻 修士課程修了
    1992年:東京大学大学院 工学系研究科 電子工学専攻 博士課程修了
    1992年~2014年:(株)富士通研究所
    1994年:同社から通産省リアル・ワールド・コンピューティング・プロジェクトに参加
    2014年~19年:(株)ドワンゴ 人工知能研究所 所長
    2015年:産総研人工知能研究センター客員研究員就任
    2015年:特定非営利活動法人 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ 代表就任
    2015年:電気通信大学大学院 情報システム学研究科客員教授就任
    2016年:慶應義塾大学SFC研究所上席所員就任
    2016年~18年:人工知能学会編集委員長
    2017年:東京大学医学部・客員研究員就任
    2018年:理化学研究所 革新知能統合研究センター 客員研究員就任
    2019年:理化学研究所 生命機能科学研究センター 客員主管研究員就任

    コメント
    「松尾研では、世界モデルの研究テーマに携わっております。これはメンタルモデルなどとも呼ばれ、人間のような知的システムが外界との相互作用の経験を蓄積し、特定の目的やタスクに依存せずに周囲の環境をモデル化することです。長らく、特定のタスク解決を学習する唯一の方法は直接的な教師データを与えることでした。ところが深層学習の発展を超えて、その状況はようやく変化してきました。
    AIが単にハウツーに従うのでなく、課題を直接的に理解して解きはじめるには60年の歳月が必要だったということかもしれません。
    考えてみれば、世界をモデル化するということは、つまり科学の営みでもあり、今後のAIの可能性を大きく広げることにつながります。私自身、外界入力の相関関係を学習する認知連合モジュールを博士論文(1992)で検討し、関連した、状況分解技術を研究をしている頃に、松尾教授と出会い、「ネットワーク-予測性-属性生成」で共著となりました。こうした縁から、本年(2019年)の夏ごろから、松尾研にジョインさせていただいております。
    来年は、こうした方向で、OS「世界モデルと知能」@JSAI 2020および研究戦略策定での貢献、さらには汎用人工知能や脳とAIに関わる学術活動などを発展させたいと考えております。」

    2.論文

    松尾研は「“知能”をつくる」ことを目的に、web工学の研究から始まり、近年では深層生成モデル・深層強化学習を研究領域の柱として研究活動に励んでいます。今年は下記のような国際会議で採択・各種賞を受賞いたしました。

    ICLR2019 Workshop(Limited Label Data), ECML PKDDに採録


    阿久澤 圭(博士1年)
    ※本年度は都合によりコメントはありません。

    ◆WI2019 Best Student Paper Awardを受賞

    中川 大海(博士1年)

    「このような名誉ある賞をいただくことができ、大変光栄です。
    また、受賞や発表をきっかけに多様な国籍・研究分野の方々と交流することができ、大変貴重な経験を積むことができました。
    来年度はより大きな成果を残せるよう、引き続き研究やその社会実装に取り組んでいきたいと思います。」

    ◆2019年度人工知能学会 全国大会学生奨励賞に選出

    谷口 尚平さん(修士1年)

    「私は昨年から学部の卒論生として松尾研に配属されて以来、主に基礎研究を中心に活動をさせていただいています。配属された当初は深層学習についてはほとんど素人で1から勉強という感じでしたが、論文の輪読会などで新しい情報を広く素早くキャッチアップできる恵まれた環境のおかげで、少しずつ知識を深めることができました。研究の方も幸いなことに、学部卒論での研究に関する発表で人工知能学会全国大会の学生奨励賞をいただくことができました。
    この1年は松尾研も色々と変化があり、特に基礎研究周りではGoogle BrainのShane Guさんが客員研究員に着任されたり、ロボット研究に本格的に参入したりと、研究を進めるには素晴らしい環境が整ってきており、あとは自分たちが着実に結果を残していかなければと身が引き締まる思いでいます。
    深層学習は様々な分野で応用が進んできていますが、まだまだ未解明な部分も非常に多く、研究対象としてはこの上なく面白い題材だと思います。今後もより大きな研究成果を出していけるように、他の研究室メンバーとも協力して努力を続けていきたいと考えています。」

    3.共同研究

    松尾研ではDeep Learningやデータサイエンスの社会実装を少しでも進めるために、企業との共同研究に励んでおります。一部ではございますが、リーガル分野での自然言語処理や介護分野での画像認識等のプロジェクトを今年開始いたしました。

    ◆森・濱田松本法律事務所

    東京大学松尾研究室及び株式会社イライザとの共同実証研究(法律業務におけるITやAIの活用に関する研究)のお知らせ

    ◆アイスタディ株式会社

    東京大学 松尾研究室と介護施設向けAI検知システム構築に関する共同研究を開始

    4.松尾先生の新規就任

    松尾研究室の代表である松尾先生にとって、教授就任やソフトバンク社の社外取締役就任等、立場上の変化がありました。

    東京大学大学院工学系研究科 教授就任

    ソフトバンクグループ取締役に就任

    松尾 豊(まつお ゆたか)

    新任取締役候補者のプレスリリース
    https://group.softbank/corp/news/press/sb/2019/20190521_01/

    沢山のお祝いのメッセージやお花など誠にありがとうございました!

    5. その他

    DL4USのコンテンツ公開

    Deep Learningエンジニア育成講座「DL4US」の演習コンテンツを無償公開しました。

    エンジニア向けに松尾研で作成したもので、実装に重きを置き、画像認識や翻訳モデルから始まり、生成モデルや強化学習まで扱う実践的な内容になっています。

    詳しくはこちら

    三豊市にサテライト研究室の設置

    人手不足に悩む地元企業の作業効率化を模索するべく、三豊市にサテライト研究室を設置しました。

    研究室では高専生がプロジェクト単位で研究に参加し、参画企業の課題に対して解決策を提案。AIは技術を自動運転などの機械に落とし込む必要があるため、機械の組み立てなどに習熟した高専生はAI時代を担う人材になることを期待しています。

    「もっと松尾研の活動が知りたい!」という方はぜひ「Deep Learning勉強会の活動報告」も併せてご覧ください。

     東京大学松尾・岩澤研究室(松尾研)- Matsuo…

    【松尾研主催DeepLearning勉強会】一年間の活動報告会https://weblab.t.u-tokyo.ac.jp/dlsummerevent_20190718/

    こんにちは、広報の清水です。先日、DL輪読会とDLHacksのメンバーを中心に交流を深める活動報告会を開催しました。DL輪読会とDLHacksは、互いの知識を深めることを目的に東京大学松尾研究室のメンバーが中心となって毎週持ち回りで発表をする勉強会です。(紹介記事…

    また、松尾研では現在一緒に研究・サポートするメンバーを募集しています。

    ◆コミュニティマネージャー 

    ◆インフラエンジニア

    その他の職種でも「知能を創り、未来を拓く」理念に共感いただける方は、ぜひお問い合わせください。

    松尾研一同、皆様のご健勝と貴社の益々のご発展を心よりお祈り致しております。
    どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。
    新年も宜しくお願い申し上げます。